英語圏を中心に世界的に高揚しているトランス排除について考えるために役に立つ記事をトピックごとにまとめました。

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目次

アンチ・ジェンダー/ジェンダー・クリティカル

【文献紹介】スーザン・ストライカー「「トランスジェンダー」の旅路」

「トランスジェンダー」がいかにして「ジェンダー・イデオロギー」の最も過激なバージョンとして位置づけられるに至ったのかを、トランスジェンダーという言葉がジェンダー概念とともにたどってきた歴史から説き起こす。

【文献紹介】ルース・ピアースほか「TERF戦争:イントロダクション」

「女性のセックス」を生物学的真実とみなしてトランスジェンダーのジェンダー・アイデンティティを攻撃する「ジェンダー・クリティカル」フェミニズムはどのように問題であるのか。

「性別承認法」改革、自己宣告とスペース

【文献紹介】ヴィック・ヴァレンタイン「自己宣告は英国の制度を国際的に見て最良の仕組みにあわせるものだ」

自己宣告による法的な性別変更を認めることを目的とするイギリスの「性別承認法」改革案へ反対する人々は、自己宣告制度を歪曲している。性別承認法の改革と、性別で区別されたスペースの利用法は関係がない。

【文献紹介】ルース・ハント「トランスの権利を男性の暴力を理由として否定しないで」

自己宣告による法的な性別承認が女性スペースの安全を脅かすという考えは実態に即していない。トランスの人々に平等を賦与することと、女性の安全を保障することは、別個の問題として考えられなければならない。

イギリスでの反トランスの高揚とその理由

【文献紹介】ミシェル・スノー「どうしてイギリスはこれほどトランスフォビックになったのか?政府の嘘、メディアの利益追求とトランスの苦しみについての小史」

2016年の「性別承認法」改革案の発表をきっかけとして、いかにしてイギリスメディアが反トランス・キャンペーンを展開し、性別移行のための医療を攻撃し、政府の政策を捻じ曲げたか。

【文献紹介】ソフィー・ルイス「英国フェミニズムはいかにして反トランスになったのか」

イギリスの主流フェミニストが反トランスになった背景の分析。植民地主義的思考の存在や、マイノリティ女性からの異議申し立ての相対的欠如を指摘。

【文献紹介】サム・レヴィンほか「なぜ私たちはイギリスにおけるトランスライツに関するガーディアンの立場に反対するのか」

トランス差別的な見解を繰り返したガーディアン紙の社説に対するアメリカのガーディアン記者からの反論。

反トランスのレトリック

【文献紹介】サラ・アーメッド「あなた達が私たちを抑圧しているのだ!」

「トランスの権利活動家」こそが暴力をふるっている、女性を「黙らせている」のであって、私たちは排除の主体ではない、というレトリックがどのように不正な権力のメカニズムであるのか。

【文献紹介】タリア・ベッチャー「トランス初級講座」第2節「トランス/トランスジェンダー/トランス* 用語法」

「トランスセクシュアル」は配慮に値するマイノリティであるが「トランスジェンダー」はそうではない、「トランスジェンダー」の定義を示せ、という論法は、言葉の複雑な歴史と現実を踏まえていない。

宗教保守/右派との結託

【文献紹介】サマンサ・シュミット「トランスジェンダーの権利に対抗する保守派の意外な味方:ラディカル・フェミニスト」

アメリカのラディカル・フェミニスト団体であるWomen’s Liberation Front (WoLF) は、いかにしてトランスライツに反対するという点でキリスト教右派と結託しているのか。

【文献紹介】ジュリア・セラーノ「『トランスジェンダー活動家 vs. フェミニスト』論争を終わらせる」

「トランスジェンダー活動家 vs. フェミニスト」のような「衝突」の背後に隠れてみせかけの「対立」を作り出しているのは、フェミニズムを収奪する保守派だ。